住宅購入で「頭金を入れるケース」「頭金を入れないで資産運用するケース」徹底比較
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執筆者
一般社団法人 住宅購入支援協会 代表理事
住宅購入カウンセラー
ファイナンシャルプランナー(FP)
宅建業従事者
小日向 邦夫 が執筆しました。
住宅購入を検討している人々が抱える大きな悩みのひとつが、「住宅ローンの頭金をどうするか」という問題です。頭金は住宅ローンを組む際の重要な要素ですが、近年、資産運用を行う選択肢が広がったことで、これに関する迷いが一層深まっています。特に、2024年から新NISA(少額投資非課税制度)が大幅に制度変更され、多くの人が資産運用を始めることに関心を持っています。
これにより「頭金を支払うよりも、その資金を資産運用に回すべきでは?」と考える人も多くなっています。特に、資産運用を通じて得られるリターンが、住宅ローンの金利を上回る可能性があると認識している人にとっては、頭金を使わずにローンを組んで、その資金を運用に回す方が理にかなっているように思えるかもしれません。
今回、住宅購入で「頭金を入れるケース」「頭金を入れないで資産運用するケース」を徹底比較します。
頭金を入れる場合と入れない場合の比較
まずは、頭金を入れた場合と入れない場合の住宅ローンの試算をご覧下さい。
試算条件
借入希望額:5,000万円
ローン金利:0.5%
返済期間:35年
※変動金利を想定していますが、金利変動は無しと仮定しています。
頭金 | 500万円 |
---|---|
借入金額 | 4,500万円 |
毎月の返済額 | 116,813円 |
総支払額 | 5,406万円 |
利息の合計額 | 406万円 |
頭金 | 0円 |
---|---|
借入金額 | 5,000万円 |
毎月の返済額 | 129,792円 |
総支払額 | 5,451万円 |
利息の合計額 | 451万円 |
利息を含めた総支払額では、45万円程度の差額となります。
計算上は頭金を入れても総支払額は大幅には変わらなく見えますが、どちらが最適かを判断するにはそれぞれのメリットとデメリットも把握する必要があります。
頭金を入れる場合のメリットとデメリット
メリット
- 借入額が少なくなる
頭金を支払うことにより、ローンの借入額が少なくなります。結果として、毎月の返済額が減り、月々の返済負担が軽くなります。 - 金利負担が軽減される
借入額が減ることで、支払う利息も減少します。特に長期間のローンを組む場合、利息の総額に影響を与えます。 - 審査に有利になる
自己資金を投入しているという点が評価され、融資審査に通りやすくなる場合があります。 - 安心感
住宅ローンの借入額が少ないことで、ローン返済がスムーズに進むという安心感があります。
デメリット
- 住宅購入後の支出に不安が残る
住宅購入のタイミングでは、住宅購入後にも「引っ越し費用」「カーテン・照明・エアコン費用」「家電・家具購入費」など様々な費用が発生します。 - 頭金をためる必要がある
賃貸物件に住んでいる場合、頭金を貯めている期間も家賃がかかります。また、頭金が貯まるまで時間を要すると、その間に金利が上昇してしまうリスクもあります。借入前と借入後、両方の支出負担が増えるケースが考えられます。 - 資産運用の機会を逃す
頭金を支払うことで、その資金を他の投資に回す機会を失うことになります。特に、資産運用のリターンが高ければ、頭金を入れることが機会損失につながる可能性があります。
頭金を資産運用した場合
頭金を入れないで資産運用した場合の試算をご覧下さい。
試算条件
運用額:500万円
運用利率(年):2%・4%・6%
運用期間:10年
運用利率(年) | 2% | 4% | 6% |
---|---|---|---|
予想資産額 | 約609万円 | 約740万円 | 約895万円 |
頭金を入れないでお金を残す場合のメリットとデメリット
メリット
- 資産運用の機会を得る
頭金を使わず、手元資金を株式や不動産、投資信託などに回すことで、ローンの金利よりも高いリターンを得られる可能性があります。特に資産運用を上手に行えば、住宅ローンの利息よりも多くの利益を得ることができ、結果的に資産を増やせる場合があります。 - 流動性の確保
手元にお金を残すことで、緊急時の対応がしやすくなります。たとえば、急な出費や生活費の変動に対して、柔軟に対応できるという利点があります。 - ローンを早期返済する自由度
もし資産運用が順調にいけば、その利益を利用してローンの返済を加速することも可能です。逆に運用が不調であれば、低金利のローンを長期間返済していく戦略も取れます。
デメリット
- 借入金と返済負担が大きい
頭金を入れない分、ローンの借入額が増えるため、月々の返済額が大きくなります。これが将来の家計に対する不安要素になる可能性があります。 - 金利負担が増える
借入額が多いため、支払う利息も増加します。特に長期間のローンでは、総支払額が大きくなる事になります。 - 資産運用のリスク
資産運用にはリスクが伴います。市場の変動により、元本割れや想定していたリターンを得られない場合もあります。この場合、ローンの返済に影響を及ぼすことがあります。 - 金融機関の審査が厳しくなることも
頭金を入れないことで、金融機関がリスクを感じ、審査が厳しくなることがあります。特にローンの借入額が大きい場合は、審査が通りにくくなる可能性があります。
「頭金を入れるケース」と「頭金を入れないで資産運用するケース」の選択は、それぞれのライフスタイルや金融知識、リスク許容度によって異なります。
頭金を入れることで安定した返済が可能になる一方、資産運用によって将来的なリターンを期待する選択肢もあります。この決断を下す際には、自分のライフプランやリスク許容度をよく考慮し、最適な選択をすることが重要です。
住宅専門のファイナンシャルプランナー(FP)の視点
金利が高い場合には、頭金を入れることによって金利削減の効果が大きいです。
しかし、金利が低い住宅ローンでは頭金を入れることでの金利削減の効果は小さくなってしまいます。また、頭金を入れないことで、住宅ローン控除の受取金額が多くなるケースもあります。
資産運用にもリスクがありますので、自分たちがどの程度のリスクを許容できるのかを考えてから頭金の有無、資産運用の方法を選択することをお勧めします。ご自身で分からない場合には専門家の知恵を借りることが早道です。
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一般社団法人 住宅購入支援協会 代表理事
住宅購入カウンセラー
ファイナンシャルプランナー(FP)
宅建業従事者
小日向 邦夫
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ご相談者様の声
「住宅購入をきっかけに、ライフプランを見直したことで将来の家計にどれくらいのお金が必要なのかも知ることができ、貯金や投資の必要性も実感することができました。」
おはなし:Tさん(埼玉県さいたま市大宮区)
購入エリアのご希望が明確だったT様。ライフプランシミュレーションで購入資金と将来設計が明確になったことで、「いつか」と思っていた住宅購入が「現実」のものになりました。
「子供の教育環境を最優先してファミリーマンションを購入、快適な暮らしを手に入れました。」
おはなし:Mさん(千葉県流山市)
お子様を、伸び伸びと育てられる環境を整えるため引っ越しを決断されたM様。小学校が隣接し、車の交通量も少ない、ぴったりのエリアでファミリーマンションを購入。気兼ねなく安心して過ごせる住環境を見つけることが出来ました。
「住宅購入にあたって中立の立場の専門家に
相談することが大切。
自分でもわからないことが見えてきますよ。」
おはなし:Yさんご夫婦(埼玉県上尾市)
他の不動産会社の窓口でマンション購入を相談後、「おうちの買い方相談室さいたま」でライフプランシミュレーションを作成し、一戸建て住宅購入を決断。
住宅購入において資産運用を意識することは、現代の金融環境において非常に重要です。
今後どのような支出が想定されるかをライフプランシミュレーションによって確認することで、将来への不安が軽減できます。おうちの買い方相談室さいたまでは、お客様のご希望やご状況を丁寧にヒアリングし、不安の無い住宅ローンの組み方もご提案しますので、是非お気軽にご相談ください。
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ご相談者様の声
住宅購入をきっかけに、ライフプランを見直したことで将来の家計にどれくらいのお金が必要なのかも知ることができ、貯金や投資の必要性も実感することができました。
Tさん(埼玉県さいたま市大宮区)
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Mさん(千葉県流山市)
住宅購入にあたって中立の立場の専門家に相談することが大切。
自分でもわからないことが見えてきますよ。
Yさんご夫婦(埼玉県上尾市)
専門家の声
住宅購入はとても大きな買い物なのでファイナンシャルプランナー(FP)に無料相談できるという仕組み(おうちの買い方相談室)はご相談者様にとって安心できる内容だと思います。
私も注文住宅の購入時に相談させてもらい非常に助かりました。
>>クローム税理士法人HP
具体的な内容が決まっていなくても大丈夫です!