消費税増税後には贈与税の非課税枠を使って賢く住宅購入

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執筆者

一般社団法人 住宅購入支援協会 代表理事
住宅購入カウンセラー
ファイナンシャルプランナー(FP)
宅建業従事者
小日向 邦夫 が執筆しました。

住宅購入は、人生の中でも大きなお買い物です。そのため、頭金を親や祖父母から援助していただいて、月々の住宅ローンの負担を軽くするというケースもよく見られます。
ただ、贈与税の税率は下記のようにとても高いので、計画的に贈与をする必要があります。

贈与金額 税率 控除額
110万円以下 非課税 -
200万円以下 10% 10万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円

例:1,000万円贈与した場合の贈与税
(1,000万円-110万(基礎控除) )×40%-125万=231万円

贈与税の非課税枠について

贈与税には年110万円までの非課税枠(暦年贈与)があり、相続税対策として贈与税の非課税枠を利用して、毎年少しずつ財産を次の世代に移していく方法が取られますが、「住宅取得資金」の場合は、この110万円の非課税枠のほかに、一般住宅で年間700万(省エネ住宅などの高性能住宅の場合は1,200万円)の非課税枠が設けられています。
つまり、一般住宅の場合、810万円まで贈与税がかからずに資金を援助することができるのです。

消費税増税に伴う、住宅購入資金非課税枠の拡充

これまで、消費税率が上がるたびに、直前の住宅購入の駆け込み需要が発生しましたが、その反動減が大きな問題となっていました。今回の10%への増税では、その対策として消費税増税のタイミングで「住宅購入資金」の贈与税非課税枠が、一般住宅の場合で700万から2,500万円に拡充されることが決まっています。高性能住宅の場合は、3,000万円
そして、この拡充枠は、下記のように、契約時期によって少しずつ減額されていきます。

〈一般住宅の場合〉
契約時期 〈一般住宅の場合〉
非課税枠
〈高性能住宅の場合〉
非課税枠
2019年4月1日~2020年3月31日 2,500万円 3,000万円
2020年4月1日~2021年3月31日 1,000万円 1,500万円
2021年4月1日~2021年12月31日 700万円 1,200万円

ある程度の資産をお持ちで、お子さんやお孫さんが住宅を購入しようとされていたら、消費税増税前後のこの1年が、財産贈与の絶好のタイミングとなります。
将来の相続税対策になることは言うまでもありません。

「住宅取得等資金贈与の非課税」を受けるための主な要件

下記のように細かい要件がいくつかありますので、該当するか、事前にしっかりと確認しましょう。

  • 贈与を受けた年の翌年の3月15日までに、購入、新築、増改築等を行った物件の残金決済・引き渡しを行って、住宅を所有すること
  • 贈与を受けた年の翌年の3月15日までに、当住宅に居住すること。または、その後遅滞なく入居することが確実と見込まれること。
  • 贈与を受けた年の子の合計所得金額が2000万円以下であること
  • 子の年齢が贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上であること
  • 住宅の床面積(登記簿面積)が50平米以上240平米以下
  • 中古住宅の場合は以下3つのいずれかを満たすもの

    (1) マンションなど耐火建築物は築25年以内、木造などは築20年以内

    (2) 一定の耐震基準をみたすことが建築士等によって証明された住宅

    (3) 購入後に耐震改修工事を行い、贈与を受けた年の翌年3月15日までに建築士等によって一定の耐震基準に適合すると証明された住宅

消費税課税に関する注意点

住宅購入資金の贈与税非課税の拡充枠は、あくまでも消費税10%の物件を購入するための資金分が対象です。土地には消費税がかかりません。また、個人から住宅を購入する場合は、建物も土地もすべて消費税は課税されません。
そのため、「消費税10%の物件」かつ、「新築住宅」「住宅の新築や増改築」「不動産会社が売り主の中古住宅」の購入の場合にこの制度が適用されることご注意下さい。

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一般社団法人 住宅購入支援協会 代表理事
住宅購入カウンセラー
ファイナンシャルプランナー(FP)
宅建業従事者
小日向 邦夫

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