【住宅購入者必見】忘れた頃にやってくる「不動産取得税」で損しないための知識

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執筆者

一般社団法人 住宅購入支援協会 代表理事
住宅購入カウンセラー
ファイナンシャルプランナー(FP)
宅建業従事者
小日向 邦夫 が執筆しました。

マイホーム購入おめでとうございます!新居での生活が落ち着いた頃、都道府県から届く一通の納税通知書があります。それが「不動産取得税」です。

「まだ税金があったのか」と驚かれるかもしれませんが、ご安心ください。この税金は、正しい知識と簡単な手続きで大幅に軽減、場合によってはゼロにできるのです。今回は、知っているだけで数十万円も得をするかもしれない、不動産取得税の基本から賢い節税術までを詳しく解説していきます。

そもそも不動産取得税とは?

不動産取得税とは、土地や家屋(建物)といった不動産を取得したときに、その不動産がある都道府県に対して一度だけ納める地方税です。この税収は、地域の教育や福祉といった行政サービスを支えるための貴重な財源となります。

課税対象となる「取得」には、売買による購入はもちろん、建物を新築・増改築した場合や、親族から贈与された場合も含まれます。一方で、相続によって不動産を取得した場合は、不動産取得税は課税されません(別途、相続税の対象となるためです)。

納税通知書は、不動産の登記を終えてから4ヶ月から半年後、新築の場合は建物の評価に時間がかかるため、完成後半年から1年ほど経ってから届くのが一般的です。まさに「忘れた頃にやってくる」税金と言えるでしょう。納税は、通知書に記載された期限(通常は通知書が届いてから約1ヶ月後)までに、金融機関やコンビニエンスストア、県税事務所の窓口などで行います。

税額はどう決まる?計算の基本

不動産取得税は、一見複雑そうに思えますが、基本的な計算式は至ってシンプルです。

不動産取得税額 = 不動産の価格(固定資産税評価額)× 税率

ここで最も重要なポイントは、計算の基礎となる「不動産の価格」が、実際に支払った購入金額ではないという点です。ここで用いられるのは、各市町村が算定する「固定資産税評価額」で、これは一般的に市場価格の7割程度が目安とされています。そのため、実際の購入金額で計算するよりも税額は低くなる傾向にあります。

税率についても、軽減措置が設けられています。本来の標準税率は4%ですが、住宅やその敷地を取得した場合は、特例により税率が3%に軽減されます(2026年3月31日取得分まで)。

【最重要】大幅減額のチャンス!軽減措置を活用しよう

ここからが本題です。一定の要件を満たす住宅を取得した場合、課税対象となる評価額そのものから一定額を差し引ける、非常に強力な「軽減措置(控除)」が用意されています。これを適用するか否かで、納税額には雲泥の差が生まれます。

新築住宅の場合

新築の一戸建てやマンションを取得した場合、以下の要件を満たせば、建物の固定資産税評価額から一律で1,200万円を控除できます。

適用要件

  • 床面積要件:50㎡以上240㎡以下であること
  • 用途要件 :ご自身が住むマイホームだけでなく、セカンドハウスや賃貸用のアパート・マンションでも適用可能

具体例:新築マンション(評価額1,500万円)の場合

  • 軽減前  :1,500万円 × 3% = 45万円
  • 軽減後  :(1,500万円 - 1,200万円)× 3% = 9万円
    → 36万円の節税効果!

もし評価額が1,200万円以下であれば、課税対象額がゼロとなり、建物部分の不動産取得税はかかりません。さらに、長期優良住宅の認定を受けた新築住宅であれば、控除額は1,300万円に拡大されます。

中古住宅の場合

ご自身が居住するために中古住宅を取得した場合にも、軽減措置が適用されます。ただし、中古の場合はその建物が新築された時期に応じて控除額が変動する点に注意が必要です。

控除額の一覧

  • 1997年(平成9年)4月1日以降に新築 → 1,200万円控除
  • 1989年(平成元年)4月1日~1997年3月31日に新築 → 1,000万円控除
  • 1985年(昭和60年)7月1日~1989年3月31日に新築 → 450万円控除

上記より前に建てられた古い住宅(特に1981年以前の旧耐震基準の建物)は、原則としてこの控除の対象外です。しかし、建築士などによる耐震診断で「新耐震基準適合」が証明された住宅であったり、取得後に耐震改修工事を実施したりした場合は、控除の対象となる道が残されています。

住宅用土地の軽減措置

上記の軽減措置が適用される住宅の「敷地」となる土地についても、税額が減額される制度があります。以下のうち、いずれか大きい方の金額が土地の税額から差し引かれます。

  1. 一律45,000円
  2. 「土地1㎡あたりの評価額 × 住宅の床面積の2倍(上限200㎡) × 3%」で計算した額

この土地の軽減措置は非常に効果が大きく、多くの場合、土地部分の不動産取得税は大幅に減額されるか、ゼロになります。

手続きを忘れずに!申請が必要です!

この大変お得な軽減措置ですが、自動的に適用されるわけではなく、原則として自己申告が必要になる点に、最大の注意が必要です。

申請のタイミングと方法

いつ申請する?

不動産取得から60日以内(自治体により異なる)

どこに申請する?

物件所在地の都道府県税事務所

何を提出する?

「不動産取得税課税標準の特例適用申告書」

必要書類

申請には、主に以下の書類が必要となります。

  • 取得した不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)のコピー
  • 売買契約書のコピー
  • (中古住宅で必要な場合)耐震基準適合証明書
  • (長期優良住宅の場合)認定通知書のコピー

申請が間に合わなかった場合

もし、申請が間に合わずに軽減措置が適用されていない満額の納税通知書が届いてしまっても、諦めないでください。その場合、一度税金を納付した上で、後から減額分を返してもらう「還付申請」を行うことができます。この還付請求は、原則として5年間さかのぼって可能です。

住宅専門ファイナンシャルプランナーの視点:知識を活用して賢い住宅購入を

これまで多くのお客様の住宅購入をお手伝いしてきましたが、マイホーム購入後の家計において「計画外の出費」は最も避けたいものの一つです。その代表格が、忘れた頃にやってくる「不動産取得税」と言えるでしょう。

しかし、これは見方を変えれば、正しい知識と少しの手間で、将来の家計を豊かにできる絶好のチャンスでもあります。

今回の軽減措置を適用することで、本来支払うはずだった税金が数十万円単位で手元に残るケースも決して珍しくありません。この「浮いた数十万円」を、あなたならどう活用しますか?

  • 住宅ローンの繰り上げ返済に充てて、将来の利息負担を減らす
  • お子様の教育資金として準備する
  • 新しい暮らしを彩る家具や家電の購入資金にする
  • 家族旅行の費用に充てて、かけがえのない思い出を作る

大切なのは、「知っている」だけで終わらせず、確実に「実行」することです。住宅の引き渡しが終わったら、すぐに軽減措置の申請準備に取り掛かりましょう。もし納税通知書が届いてしまっても、記載された金額を見て慌てる必要はありません。まずは軽減措置が適用されているかを冷静に確認し、もし適用されていなければ、速やかに還付請求の手続きを行ってください。

住宅購入はゴールではなく、ご家族の幸せな未来を築くためのスタートラインです。不動産取得税のような「知っていれば避けられる出費」を確実にコントロールすることが、長期的に安定した家計を築くための重要な第一歩となります。ぜひ賢い知識を味方につけて、経済的にも精神的にもゆとりのある、後悔のないマイホーム計画を実現してください。

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